Dream
思わず立ち止まってしまう。
道の真ん中で止まると邪魔なので、端へ避ける。
「…嘘、ですよね?」
「嘘じゃないよ。
ていうか、告白を嘘で言う人はいないと思うけど」
でも嘘から始まる恋っていうのもありますよ。
私恋愛小説で、そういうの沢山読みましたし。
「まぁともかく、僕の告白は嘘じゃない。
柏木さん、僕と付き合ってくれる?」
…嘘でしょ?
答えの前に、聞きたいことは聞いておこう。
「何で私なんですか…?」
私は最初に散々話したけど、人見知りで上がり症で口下手。
やっと友達出来た感じだもの。
そんな私を…何故?
私以外にも、良い人は沢山いると思うけど。
「何で、か…。
これだって言う理由はないんだけど。
…一目惚れって、やつかな……?」
一目惚れ!?
こんな平々凡々で地味な私に?
「藤崎くん。
…目、大丈夫ですか?」
思わず聞いてしまった。