Dream







思わず立ち止まってしまう。

道の真ん中で止まると邪魔なので、端へ避ける。



「…嘘、ですよね?」

「嘘じゃないよ。
ていうか、告白を嘘で言う人はいないと思うけど」



でも嘘から始まる恋っていうのもありますよ。

私恋愛小説で、そういうの沢山読みましたし。



「まぁともかく、僕の告白は嘘じゃない。
柏木さん、僕と付き合ってくれる?」



…嘘でしょ?

答えの前に、聞きたいことは聞いておこう。



「何で私なんですか…?」



私は最初に散々話したけど、人見知りで上がり症で口下手。

やっと友達出来た感じだもの。

そんな私を…何故?

私以外にも、良い人は沢山いると思うけど。




「何で、か…。
これだって言う理由はないんだけど。
…一目惚れって、やつかな……?」



一目惚れ!?

こんな平々凡々で地味な私に?



「藤崎くん。
…目、大丈夫ですか?」



思わず聞いてしまった。







< 53 / 131 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop