Dream
「じゃあよろしくね柏木さん!
…カレカノなのに“さん”付けは可笑しいか。
柏木さん、下の名前は夢子だよね?
なら、ユメって呼んでも良い?」
…ユメ。
『ユメっ!』
思い浮かぶのは、彼の顔。
…嫌だ。
忘れるって、決めたのに。
藤崎くんに失礼だわ。
「…いきなり馴れ馴れしいかな?」
「…」
私は頷くことも、首を振ることも出来なかった。
「じゃあ最初は夢子ちゃんで。
…それなら良いかな?」
私はようやく頷けた。
「僕のことは…マドカで」
マドカ?
…そういや私、藤崎くんと呼んでいたから、下の名前知らないや。
藤崎マドカっていうんだ…。