Dream
「え?」
「桐野さん本人…?」
「うわぁ!」
舞耶・香枝・ミナが驚いている。
…そりゃあ驚くよねぇ。
私の話からでしか出て来なかった人が、目の前にいるんだもの。
「あれ?
食事中?」
相変わらずの首付私服。
彼は変わらぬ笑顔を浮かべ、地面に胡坐をかいた。
「ユメの友達ー?」
「あっ…はい!
友永舞耶です!」
「柿本香枝です」
「…冴木水奈子」
ミナ、ぶっすーとした顔しないの。
アイドル級の美少女の顔が台無しだから。
「桐野大貴ですー。
よろしくねー」
…チャラチャラしているなぁ。
「ユメ、借りても良い?」
「あ、はい!良いですよ!」
ちょっ、ちょっと舞耶!?
勝手にオッケーするな!!
「じゃユメ、おいで」
桐野くんは自然に私の手を握る。
やけに冷たい手に、ドキッとした。