Dream
「どこでどこで!?」
「どこで見たんですの!?」
「…一瞬だけチラッと、どこかで見たことある気がするのぉ。
だって世の中の殆どの男は、皆ミナに夢中になるのにぃ。
桐野くんはぁ、ミナに夢中にならなかったもの」
…ミナのいつもはいらないなぁ…と思っていた能力が、まさか役に立つとは……。
「…あぁ!思いだしたぁ!」
オムライスにたっぷりかかっていたケチャップで口を真っ赤にしたミナが叫んだ。
「入学式だよぉ!」
入学式!?
入学式は確か…同じ学年になる人しか集められない。
先輩たちは入学式に参加しない。
「入学式ってことは…わたしたちと同い年ってことになりますわね」
「じゃあ何で誰も知らないの?」
そんなの…可笑しいよ。
もしかしてあたしたちが“桐野大貴”について調べた時、見落としていたクラスがあったのかな?
その見落としていたクラスの人なら、桐野大貴を知っているかも!
「ミナ、香枝。
今から第2学年の全クラスに行くよ!
それで“桐野大貴”を調べよう!!」
「わかったわ」
「…めんどくさいけどぉ、夢子のためならぁ、ミナも頑張るよぉ!」
あたしたちは全員でガッツポーズをした。