Dream
「夢子ちゃん!」
ガラッと扉が開くと同時に響いた声。
息を切らしたマドカが、立っていた。
「マドカっ…」
「夢子ちゃん!大丈夫か?」
マドカはすぐに私と桐野くんを離した。
そしてそのまま私を抱きしめる。
「お前…昨日の……」
「…」
マドカは私を離し、サッと自分の後ろに私を持ってきた。
マドカは私より背が高いから、桐野くんがどんな表情で見ているのか、わからない。
「お前、夢子ちゃんの何なんだよ。
ストーカーか?」
「…ストーカーではないですね」
桐野くんの声は余裕そうだ。
「ならどうして付きまとう?
…もしかして、夢子ちゃんの彼氏なのか?」
「それは違いますね。
柏木の彼氏は君でしょ?藤崎マドカくん」
柏木…。
いつもユメって呼ぶのに……。