Dream
「なら夢子ちゃんに付きまとうな。
こんな図書室なんてイラナイ場所に連れてきて。
夢子ちゃんがこんな汚い所に来るとは思えない。
…お前が連れてきたんだろ?」
イラナイ場所。
汚い所。
…大好きな図書室を、マドカは否定した。
私は制服のスカートを握りしめた。
「そんなの立派な誘拐だ。
警察に通報しても良いんだぞ?」
警察!?
それだけは…阻止しなくちゃ。
「マドカ…。
私は大丈夫だから…。
何もされていないから…。
…警察沙汰にはしないでほしいの」
私は震える声で言う。
「…夢子ちゃんが望むなら、警察には言わないよ。
安心して…夢子ちゃん」
マドカの優しい声が降ってくる。
でもマドカを…
私は好きになれないだろう。
私の大好きな場所を…
マドカは…
否定したから……。