Dream
「はああぁぁぁ~…」
私は盛大な溜息を吐いた。
今日、何回溜息吐いたかしら?
予選すら通過できないのに、何で私、小説家目指しているのかしら?
小さい頃から両親が共働きで、常に1人で家にいた。
暇を持て余していた私は、お父さんの集めていた本を取り出し、読み始めた。
お父さんは怒ることなく、もっと読んで良いぞと言ってくれた。
それから暇だと、本を読んだ。
漫画も一時期読んだけど、やっぱり私は小説が好き。
スマホで読む小説よりも、ペラペラと紙のページを捲りたい。
常に鞄の中には本があり、暇なら本を読む。
いつしか自分で書きたくなり、書き始めた。
誰かに感動してもらいたい!と言う思いから、投稿を始めた。
でも投稿を続けた小説が実を結ぶことはなくて。
いつでも落選。
たまに感想をもらえば、誤字脱字訂正や、ここが嫌だったなどの誹謗中傷を受ける始末。
別に誹謗中傷で傷つく私ではないけど、やっぱり面白いと言ってほしい。
でも今まで書いてきた作品の中で、面白かったと読者に言われた作品はなくて。
「…はぁ」
小説家なんて夢、持たなければ良かったかなぁ…。
持たなければ、こんな寂しい思いをすることもなかったはずなのに。