Dream
「しかし驚いたわね。
…まさか、桐野大貴くんが連れてくるなんて」
…え?
「桐野くんを…知っているんですか?」
「え?ええ。
てか柏木さんも知っているのね」
「はい…」
「じゃ、今まで彼がどこにいたのか知っている?」
「図書室で私は会っていました…」
「図書室…。
なるほど、確かに図書室に行きそうだわ」
この先生なら…桐野くんについて知れる?
でも…。
私はもう、桐野くんとは関係ないから…。
「柏木さん」
「はい?」
「桐野くんのこと、嫌いにならないであげてね」
え?
どういうこと?
「桐野くんは誰よりも優しいのよ。
それを、信じてあげてね」
「…はあ……」
よくわからぬまま、私は頷いた。