Dream
「…そんな何回も溜息吐くなよ」
え?
どこからか聞こえた声に、驚く。
まぁ驚くのが普通だろうけど。
てかどこから声がした!?
キョロキョロ辺りを見渡す。
すると、本棚の影から、ひょこっと男の子が顔を出した。
明るい茶色の髪。
ワックスで整えたのか、前髪だけオールバック。
ニキビ1つない綺麗な肌。
整った顔立ち。
同い年?年下?年上?
よく見ると、彼は私服姿だった。
紺色パーカーの下には、首をあたためるもこもこしていそうなついた青い服。
ズボンは黒く、全体的にラフな服装だ。
でも何故、学校内で私服?
「…ねぇ、俺の話聞いてる?」
「え?
あ、はい聞いています!」
何回溜息吐いているんだって言っていたよね。
確かにそうだよね~…。
さっきから溜息しか吐いていない気がするよ。