Dream








桐野くんは笑っていた。

オモチャで遊ぶ子どものように。

その笑顔は輝いていた。




「可愛かったよ、その男の子。
助けてってもがくんだ。
助けてって、俺を見るんだ。
…最高だったよ、あの瞳は。
人が死ぬ瞬間って、ああなんだね」



何を言っているの…?



「ていうか、ユメ、単純すぎ。
友達作るアドバイスしただけで、俺に惚れちゃって。
どれだけ人に優しくしてもらえてないんだよ」



誰…?




「ユメみたいな単純な子、俺好きじゃないんだよねぇ」



誰なの?




「むしろ大っ嫌い♪」



この人は…

誰なの!?




知らない、こんな人。

桐野くんじゃない…!







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