Dream
9~愛ゆえの…~
どれぐらい泣いたのだろうか?
私はしゃがみ込むのを止め、立ち上がった。
そういえば、誰もいない図書室は久しぶり。
授業をサボってしまったけど、面白そうな本でも探そうかな?
ふと立ち寄った本棚。
そこはいつも、桐野くんが顔を出していた本棚。
ふと空いたスペースを見つけた。
そこには、バラバラに置かれた本が数冊。
これ、
桐野くんがこの間置きっぱなしにした本だ。
そのままだったんだ…。
私は本を手に取った。
桐野くんが隠していた本。
それが何だか知りたかったのだ。
「…え?」
数冊の本は、全て共通したジャンルだった。
『高校演劇のための台本』
『演劇が上手くなる方法』
『発声練習の仕方』
全て…
演劇にまつわる本ばかり…。