Dream








「夢子っ!」



元気の良い女子の声。

私はこの声を…知っている。




「ふ、藤崎くん!?
何しているのよ!
夢子への手を離しなさい!!」




怒鳴られたマドカは、スッと私の首を絞める手を離した。

力の失った私は、床へ倒れこむ。




「大丈夫夢子!」

「…ハァッ…ハァッ……」



急いで息を吸い込み、呼吸を整える。



「藤崎くん!
あんた、夢子の彼氏でしょ?
何で夢子を殺そうとしたのよ!」

「…最低だねぇ。ミナ信じられなぁい」

「このこと、学校へ伝えても良いですわよ?」



舞耶・ミナ・香枝がマドカへ怒りをぶつける。



「…お前らは何も知らないから、桐野大貴と夢子ちゃんをくっつけられるんだ!」

「悪いけど。
あたしたちは桐野くんのこと知っているから」



…え?

戻りかけた意識の中、舞耶の言ったその言葉だけ、理解した。







< 91 / 131 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop