Dream








でも俺はその日、ユメと喧嘩した。



俺はユメに名前と年齢以外明かしていなかった。

その理由は、ユメはもう少しだけだか知っている。



俺らが中学2年生の頃。

近くの川で、男の子がおぼれる事件があった。

俺はその事件に関わり、補導された。

補導されただけであり、すぐに釈放はされたけど…。

俺が行っていた中学では、大変な騒ぎとなった。



俺が殺したんじゃない。

むしろ俺は助けようとしたんだ。

…アイツが本当の犯人なのに。

アイツは知らん顔で罪から逃れた。



でもその事実を知るのは俺だけで。

当たり前だけど、世間から見れば、犯人は俺。

徹底的に俺は非難された。



元々誰かと人間関係は築くものの、決して深くは関わらない関係を保っていた俺は、それ以来中学へは通わなくなった。

高校へはまともに通おうと決め、土木沢へ入学したのに。

…まさかあんなことがあるなんて。




まぁそれは後ほど話すとして。




俺は決して誰にも過去を知られぬよう、静かに生きてきたつもりなのに。

ユメは俺を知ろうと言いだしたんだ。







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