Dream
だから俺は拒否した。
もう2度と、世間から嫌悪の目を向けられないよう。
補導され釈放された後学校へ向かうと。
…クラスメイトや担任の目が変わっていた。
何をしても怒られ。
クラスで事件があれば真っ先に疑われ。
少しでも抵抗すれば、言われる文句は同じ。
『人殺しのくせに!』
違う。
俺は何もしていない。
逆に俺は助けたんだ。
男の子は死んでしまったけど、助けようとしたんだ。
なのに。
…誰も信じてくれなかった。
ユメにこのことを言ったら、絶対非難される。
恐怖に満ちた視線を向けられ、「人殺し!」と言われるんだ。
そんなのは、もう嫌だ。
こりごりだ。
…だから俺は何も言わない。
自分のことを、何も言わない。
ユメとは、
何も知らない関係でいたかったんだ。