【短編】毒舌教師の甘い罠
「どういう意味だよ」
不思議そうに笑う翔ちゃんを一瞥してから、どうしたらいいか分からなくなって下を向いた。
「翔ちゃんのこと本気で好きな女子だってたくさんいるのに、翔ちゃんはみんなにそうやって可愛い生徒だよって言うんでしょ?」
溢れ出しそうな涙を、拳を握りしめて必死に抑える。
告白したくてもできないこの関係が、もどかしいの。
触れたいのに触れられないこの関係が、つらいの。
「…何泣いてんの?」
「な、泣いてないもんっ…」
「…目、真っ赤ですけど」