妄想(笑) 恋歌物語 ~万葉集編~
「そこの可愛いお嬢さん?」
一つ声をかけてみた。.....無反応。
「おーい。聞こえてないの?」
...無反応。
色々、言ってみるが振り返る気配さえない。
あっ、ヤバい。イライラしてきた。
俺はその女よ肩を掴んだ。
女は驚いたように後ろを向き、やっと俺の方を見た。
「俺さ、お前に声かけてんだけど。」
その女はまじまじと俺を見た。
お互いに見つめあったまま、俺は考えていた。
なかなか、顔立ちも可愛らしい。
美女の部類に十分入るだろう。
その女は少し口を開きかけたが、何も言葉は発しなかった。
女は向きをかえ、何事も無かったかのように歩き始めた。
意表を突かれたのは言うまでもない。
ここまでして、無反応とは...!!