妄想(笑) 恋歌物語 ~万葉集編~
恋はじめ
「...じゃあ、そろそろ私は帰ってもいいですか?」
女は多分これから家に帰るんだろう。
少し足を引きずっているように見えた。
あれだけ派手に転けたんだ。きっと挫いたに違いない。
....挫かせてしまったのは俺だが...
(そーですよ!あなたが悪いんだから、責任取りなさい!by 作者)
あ"ぁ、もう。分かったよ。
俺はまた女の細い腕を掴んだ。
「きゃっ!?」
やはり、片足を挫いていてはバランスが取りにくいらしい。
危うく、また転けそうになる女の背中と脚に手を回して、俺は女を持ち上げた。
いわゆる、『お姫様抱っこ』と言われるものだ。