始まったばかり
同じだけ好き
「おい、待てよ。野々宮!」
「離して…」
野々宮美月(みつき)は香川彰人(あきと)に捕まられた腕を離そうと必死に手を振る。
しかし、彰人は絶対に離そうとしない。逃げられてなるものか。誤解は解かないといけない。そう、誤解だ。
「誤解だよ」
「何が?私よりも…」
彰人が受付の美人な女性社員にエレベーター前で呼び止められて、言い寄られていた。耳元で話しかけられていて、頬を赤めて締まりのない顔をして、頷いていた。
そんな様子を見せられて嫉妬しないわけがない。だけど、醜い嫉妬を彰人に見せたくない。「私よりも…」に続く言葉を飲み込んだ。
「美月。絶対に誤解してるよな?」
彰人の弁解は信用出来る弁解なのだろうか?
「彰人。離して…」
「離さない。こっちに来いよ」
ロビーで言い争う姿を他の社員や取引先の人に見られると後々面倒なことになる。彰人は、美月の手を引いて、トイレ近くにある通用口の方へと行った。
「離して…」
野々宮美月(みつき)は香川彰人(あきと)に捕まられた腕を離そうと必死に手を振る。
しかし、彰人は絶対に離そうとしない。逃げられてなるものか。誤解は解かないといけない。そう、誤解だ。
「誤解だよ」
「何が?私よりも…」
彰人が受付の美人な女性社員にエレベーター前で呼び止められて、言い寄られていた。耳元で話しかけられていて、頬を赤めて締まりのない顔をして、頷いていた。
そんな様子を見せられて嫉妬しないわけがない。だけど、醜い嫉妬を彰人に見せたくない。「私よりも…」に続く言葉を飲み込んだ。
「美月。絶対に誤解してるよな?」
彰人の弁解は信用出来る弁解なのだろうか?
「彰人。離して…」
「離さない。こっちに来いよ」
ロビーで言い争う姿を他の社員や取引先の人に見られると後々面倒なことになる。彰人は、美月の手を引いて、トイレ近くにある通用口の方へと行った。
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