始まったばかり
深く、深くなって…息の仕方の分からない美月は息苦しくなってほんの少し口を開けて、新鮮な空気を探す。しかし、新鮮な空気を吸えたのはほんの一瞬で、今度は舌を挿入されて…またもや息苦しくなる。

だけど、大人のキスは美月に大人の色気を与える。ほんのり赤くなった美月はきれいだ。

欲望の赴くまま、キスを堪能した彰人は潤んだ目をして、肩で息をする美月を抱き締めた。ここが会社でなかったら…この先も我慢しないのに。

だけど、ここは会社でもう昼休みも終わりだ。戻らないと美月と一緒に課長に怒られる。一緒に怒られるのも悪くないな…そんな考えもしたけど、美月が怒られてはかわいそうだ。美月を離す。

力が抜けた美月は壁に背中を預けた。美月も戻らないといけない時間になったのを感じた。でも、もう一度聞きたい。


「彰人。呆れないでね」


「ん?何を?」


「もう一度好きって言ってくれない?」


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