禁じられた放課後
ねぇ、先生。
私はどうしたらいい?
何をしてあげれば先生は楽になるの?
私が消えてしまえばいいのかな。
でも、私は先生が好き。
一緒にいたくてたまらないの。
最初に出逢った時から、絶対運命の人だって感じた。
背の高い先生を見上げて、メガネの奥の切れ長な目を見つめて。
体に染み渡るような声で、早瀬って呼んでくれる。
ただ、それだけで良かったのに……。
冷たい廊下に暖かい涙が流れる。
あの日、自分の目の前を風に揺られて通り過ぎた涼香の髪が、胸元で柔らかく溶けて行く。
直哉は、自分でもわからないうちに子供のように泣いていた。
そして、涼香を強く抱きしめた。