禁じられた放課後
導き合う星々
大人になり切ろうとする中で、自分の出した決断は子供過ぎなかっただろうか。
そんな想いを残しながらも、直哉は日本を旅立った。
涼香に伝えることのないまま置いてきた自分の気持ち。
それを消し去ることなどできなかったが、この道を選んだことに後悔はなかった。
出逢った瞬間に運命が変わった。
いや、最初からそれが定められていたものだったのかもしれない。
様々な風が吹き抜ける中で交わした言葉、そして見つめ合った時間。
ふいに感じた体温さえも、永遠に手に入るとは想像すらしたことがなかった。
もちろん、望んでもいないつもりだった。
そのはずなのに……。
ただ自分の中で認めようとしなかったその想いを、結局は少しも忘れることができずに、繰り返す夜の下で直哉はいつも星空を眺めていた。
涼香は自分と出逢うために、天の川の岸辺に立っている存在ではなかったのだろうか。
あの話のように、やはり銀河に紛れながら愛の欠片を拾うだけの少女だったのだろうか。