禁じられた放課後
「もしかして星占いとかのせいか」
涼香は目を丸くした。
そして満面の笑みを見せる。
「はい。私星占い大好きなんです。今日はバスに乗るといいことがあるって書いてあったから。それに星に関する神話とかとても素敵で」
「星の神話か。そういえば僕も神話になら興味を持って本を読んでいたことが……」
「ほんとですかっ!」
涼香が身を乗り出す。
さっきよりも近くなった笑顔に、不覚にも直哉は一層胸の奥に衝撃を受けた。
「早瀬……だったか、もう帰った方がいいぞ。遅くなるから」
今この気持ちを止めなければ、多分もう自分の力では止められなくなる。
直哉はそう思った。
そして、涼香をこれ以上近くに寄せてはいけないと強く感じていた。