禁じられた放課後



短大に入ってからも星の観察は続けていた。

いつか自分も、たくさんの人に星の話を聞かせることができるようになりたい。

星を眺める会には、大学の空いた時間を使って時々顔を出していた涼香。

この日ここに呼ばれることも、それほど驚くことではなかった。



まだまだ教えてもらいことがたくさんあると言ってくれる後輩。

顧問になった山根にも、こんな遅い時間の利用には相談にのると言われている。

まだ機材をそろえられるほどの立場でもない涼香にとって、こうして流星群の見える日に活動する場を提供してもらえることは、願ってもいないほどのありがたいことだった。



いつも手にしていた星占いの本と星図。

直哉と初めて一緒に見れた星空のことを思い出す。

目を閉じれば、いつでもあのときの感触を蘇らせることができた。



「山根先生……?」



ログハウスの前に腰をおろす人影に声をかける。

うっすらと見える明かりで、大人の男だということは確認できていた。

山根以外の人物など、想像もしていなかったのだ。



「早瀬」


「よ……し原せんせ?」




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