禁じられた放課後


立ち上がったその位置に光がさせば、目の前の存在が会いたくて仕方なかった人だと確認することができる。

強く自分を奮い立たせて見送った相手。

一時も忘れることなんてなかった。



メガネの奥で優しく見下ろす瞳。

理性など、一瞬で吹き飛んでしまう。



「先生っ」





駆け寄れば抱きとめてくれる。

強く包んで、早瀬と呼んでくれる。



当然のことだからと我慢してきたことはどれだけあっただろう。

忘れると誓ったことは何度あっただろう。



願えば期待が膨らんでしまうから、ずっと思い出すことを抑えていた。

それでもこの場所に来ると、いつも勝手に浮かんできてしまう。

だから、今日もいつのまにか、どこかで会えることを願ってしまっていた。

『運命の再会』を信じて…




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