禁じられた放課後
「あ、吉原先生もう一杯いきますかー?」
浦辺が肩を竦め上目遣いで声を掛ける。
「生徒にとは…フッ。独身教師じゃあるまいし、さすがにそんなことはないでしょう」
早川は落ち着いた顔でテーブルに肘をつきタバコに火を付けた。
煙が薄い層になって宙に広がっていく。
「どうせなら教師同士の方が問題も軽くて済むかも知れませんよ」
意味あり気に笑みを浮かべた鞘野が店員に追加の合図を出すと、その言葉に他の教師達が動きを止めた。
視線だけで繋がる会話。
異様な関係図を見るかのようなテーブルに、直哉は居心地の良さを感じるはずもない。
時間の流れは、止まっているかのようにその場の空気を変えようとはしなかった。