禁じられた放課後
「キミはね、水瓶を抱えた少女なんだ。世界中に散って行った希望と言う名の流星を、その水瓶に拾い集めて行く少女。
ひとつひとつの希望はどれも輝いていて、キミはそれを見つけるたびに笑顔を見せる。
やがて水瓶がいっぱいになるくらい希望の星を集めたら、キミはそれを一斉に夜空へ流すんだ。願いを叶える大きな河だよ。
その星の河を人々に見せることで、キミはみんなに夢を与える女神になるんだ。
……どうだろう。この話、英訳して投稿してみる?」
少し照れたようにメガネを直して、直哉は涼香に視線を送った。
涼香の瞳に、うっすらと涙が溢れようとしている。
「っ!どうした!?」
慌てる直哉の前で涼香が笑った。
細めた目から溜まっていた涙がひと粒こぼれる。
「先生、上手だね」
泣き笑いと言うには綺麗すぎる。
涼香の姿が光と白でぼんやりと浮き立つように見えた。
直哉は息を飲むような感覚で、その場から動けなくなるほどに涼香に見とれてしまう。