禁じられた放課後
嫉妬と憎しみ
「そう、偶然会ったのよ、学生時代の友達に。だから今日はそのまま帰っててくれる?うん、久しぶりだから話したいこともたくさんあるし。本当にごめんなさいね、直哉」
携帯の電源を切ると、美咲は鞘野の方へと振り返った。
「ゆっくりお話できそうですね」
鞘野はそう言って、静かに微笑んだ。
流星群もまだちらほら見えている空を仰ぎながら、落ち着きを取り戻した涼香の肩を抱いて、直哉は校門前でタクシー会社に連絡をとっていた。
「家まで送るから」
そう言って優しく寄り添ってくれる直哉に、涼香も安堵の笑みを浮かべる。
なんて幸せな時間なのだろう。
愛しい人と、愛しい星空の下で、こうして同じ時を過ごしている。
涼香には何の迷いもなかった。
間違っていることなどない。
この想いを、否定される必要などないのだ。
ただ自分に正直に、自分の気持ちの通りに行動しているだけ。
一緒にいたいと思うのは、おかしなことなどない自然な感情だ。