先生の手が触れる時


そこである絵に目が止まる


「………」


それは水中に沈んでいく女の子の絵

その下は真っ暗闇に見えて、かすかな光がさしている

「…………」

胸がぎゅっと捕まれたように切なくなる

なに、これ…

「っ」

言葉すら出なかった

足元に一粒の涙が落ちる。

そこで始めて我に返った。

わたし……泣いてる?

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