先生の手が触れる時


「送れたり出来なくてごめんな」

そういって笑うと遠野はいきなり後ろから抱きついてくる

「!」
「………全然いいです。そんなこと」

小さくか細い声が背中に響く

「…先生……ごめんなさい。何も、言えなくて」
「…遠野」

確かに、気にならないわけがない。
自分の彼女の体に傷があったら何とかしてやりたいとも思う

でも、彼女が言いたくないのなら
俺は無理に聞こうとは思わない。

「先生は…なんでも話してくれるのに」
「……なんでも話せる訳じゃない。俺だって話せないこともある」
「そう、なんですか?」
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