先生の手が触れる時


「ねぇ、暴力をふるわれる可能性があるとしたら、友人や親でしょう?」
「まぁ恋人の線は消えるな」

俺は黙ってそれに耳を傾ける

「友人はいる?」
「……それはいると思う…何回も同じクラスの女子といるのを見てるし仲は良さそうだから」
「ってことは…親しかいないんじゃない?確定はできないけど」

絵理子さんはハッキリと口にした。
確かに、俺もそれが一番ふに落ちる。
でも彼女の親を疑うことをためらう自分がいた。

「……そういえば、お前変なこと聞いたな?父親って娘の肩を抱くかって」
「あ、あぁ…」
「え!私、結構父親っ子だけど…さすがに肩は抱かれないし…親もそんなことしないわ」
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