先生の手が触れる時

「……それと」

そう言うと先生は私の体を離す

そして優しくキスをした

「こういうことも、しない」

微笑む先生が、愛しくて胸がぎゅっと捕まれたように締め付けられる

「……しないで……」
「え?」
「田宮先生だけじゃなくて……誰にも…しないで…」

少し上にある先生の瞳を見つめる
先生の目に一瞬熱がこもった

そのままもう一度唇が塞がれる

「っ………」

そして離されるとまたさっきよりも深いキスが私に落とされる

「んっ……っ」

思わず漏れた声が静かな美術室にひびく

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