先生の手が触れる時

「ふふ……あははは」
「笑い事じゃないんだよ…」

先生はコーヒーを飲みながらため息をつく

「先生、あんなことするのに…名前呼ばれただけで照れるし…」
「お前が不意打ちでやるからだろう…」

先生は全く、といって椅子に腰かける

「あぁ、そういえば」
「ん?」

何か思い出したように先生は立ち上がり
近くの棚にある1つの小さいキャンバスを出す

「……これいる?」
「………これ」
「俺が大学のとき描いた夕焼けの風景」
「欲しい!すっごい綺麗!」


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