先生の手が触れる時
「あげるよ。大学時代で一番、辛かったときに描いたやつなんだ……」
「そう、なんですか」
「あぁ」
そういってその絵を眺める先生は少し寂しそうだった
そんな顔をするほど辛かったのかな
その時
どんな状況で
どんな気持ちで
先生は過ごしていたんだろう
そう考えて、はっとした。
先生は…
きっと今こんな気持ちなんだって
私の傷をみて、聞きたいはずなのに私のために聞かないでいてくれてる