先生の手が触れる時

「わたし、で……良いんですか?」
「凪が良い」
「…そういうときだけ……名前はズルいです」
「そうかな」

先生は、困ったように笑う

この笑顔も反則。

「…どう?やってくれるかい?」
「……私で……良ければ…」
「…ありがとう」

先生はそういって笑うと、私の頭を撫でる。

「………でも、どうして?」
「今度、美術大の俺の師範に頼まれて、授業の模範で人物画出すんだ…そのモデルを探してたんだ」
「なるほど」

それに、と先生は付け加えて私をみる

「これで、夏休み中会える口実ができた」
「教師の台詞じゃないですね」
「…そうだな」




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