先生の手が触れる時

「……優人…どうしたの?」
「お姉ちゃん…前の家にいなくて…」
「あ……」

そうだ。
引っ越したの言ってなかった…

「じゃあ、どうしてここわかったの?」
「……学校帰り…お姉ちゃん見かけて……」
「優人……ここ、優人の家から遠かったでしょう?」

こくりと頷く優人。
私は優人の頭を撫でる

「お家、帰ろう?」
「……」

優人は黙って頭を横にふる

「優人…お母さんに怒られちゃう」
「………帰りたくない。今日は帰りたくない」

ずっと首を横にふりつづける優人
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