先生の手が触れる時
「……」
私は少し緊張しながらも優人のお母さんに電話をかける
『もしもし?』
しばらくして、懐かしい声が耳に届いた
「…あ、凪です」
『久しぶりね』
「………はい」
『で、何の用でかけてきたのかしら?』
少しキツい言い方にめげそうになる
でも、優人の顔をみてぎゅっと体に力をいれた
「優人が……私の家に来てます」
『優人が?』
「…はい。それで……一晩だけ泊めても構いませんか?」
『………優人は、帰りたくないのね』
少し寂しそうな声が聞こえ、言葉に詰まる