先生の手が触れる時

「……嫉妬?」
『だって…あの人、私のこと1度も抱けなかったんですもの』
「え……?」

思わず耳を疑った。

確かに、私も抱かれてるわけではない
父はいつも最後に踏みとどまる。
まるで、ハッとしたように体を離して帰っていく

娘、だからだと思っていた。

でも違う。

そこまで考えて、私は携帯を持ったままずっと閉まってあった写真にむかった

『ごめんなさいね。助けてあげられなくて』
「………良いんです…」
『まだ、続いてるの?それなら、警察に…』
「大丈夫です。今は父から離れて暮らしてますし…それに……たぶん警察は証拠不十分で…何も出来ないと思います」

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