先生の手が触れる時

「優人も…きっとそんなに素敵な人なら分かってくれると思います。だから、優人ともちゃんと話してあげてください」
『えぇ、そうするわ。ありがとう』

そういって、私たちは電話を切った

「優人。今日だけ泊まってもいいって」
「ほんと?!」

優人は立ち上がってキラキラした目でこちらを見る

私は、その代わり、と言葉を続けながら優人の手を握った

「……ちゃんと、明日帰ったらお母さんに謝ること。それと新しいお父さんと今すぐじゃなくても良いから、仲良くなること」
「……でもね……」

優人は、うつむきながら何かを言いたそうにすると、そのまま私に抱きついてきた
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