先生の手が触れる時
「その人、お姉ちゃんの学校の図工の先生でしょ!」
図工…って小学校では図工で絵書くものね
「少し違うけど…そうね。絵をとーっても上手く書く先生よ」
「その人が、お姉ちゃんの大事な人?」
「うん」
優人は、ふーんといってまたリビングに戻っていく
私はその後ろ姿を見つめたあと
さっき探した写真を見る
そこには父と幼い頃の私、そして今の私にそっくりの顔した私の母、千代子が写っている
ねぇ、お父さん。
あなたはずっと
誰を見て
誰を思って
私を求めていたの?
誰に謝っていたの?
ねぇ、お父さん。