先生の手が触れる時

私は、もう

父親を好きだとか
父親と仲を修復させようだとか
そんなことも思わないほど、私は壊れてる

でも

優しい父親に戻ってほしいとも思ってた
ちゃんと父と娘の関係に戻りたかった

「……先生…私は」

抱き締めてくれる先生の腕にすがるように
私は小さく呟いた

「父から……逃げてる…」

先生の抱き締める腕に力がこもる

先生。
私はあなたを守れるかな

あなたがこれ以上苦しまなくてすむように
私は何ができるかな


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