先生の手が触れる時

父が振り返る

「…………」

私は、このときある決断をした

先生に迫り来る影を

私たちに迫り来る影を

食い止めるために


私は

先生を守れるだろうか?

「………別れる」

父が眉をひそめる

「先生と…別れるから……もう近づかないし…何もしない……」
「………」
「……だから…」

もう一度、絵に目を向けて

ぎゅっと目を閉じる



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