先生の手が触れる時

「……それで…どうしたの?」

簡単に、私が泊まることを凜のお母さんは許してくれた

そして、私は凜の部屋に通されている

「……逃げてきたの」
「逃げる?」

凜が眉をひそめる

ぐっと手に力を入れて、ひとつ深呼吸をしてから凜の目をみる

「………父親から…」

凜の大きな目が驚きで更に大きく開かれる

この言葉で、凜は暴力を受けてるのは父からだと気づいたはず。

でも、私にはまだ言わなきゃいけないことがある…

「………凜。嫌われてもいい、汚いって思われても構わないから…聞いてほしいの」
「……凪?」
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