先生の手が触れる時

教室に戻り凜が私に声をかけてくると晴夏はそのまま男子のグループに歩いていく

「晴夏、無愛想だったでしょ」
「あはは、確かに」
「あんな性格なのに、なんでモテるのかなぁ」
「…さぁ、なんでだろう」

私は笑いながら、持っていた袋を見る

こういう所なんだろうな

「……どしたの?」
「ううん、なんでもないよ」
「そう?」

凜に、うんと頷いて何気なくドアの方に視線を向ける
そこで思わず固まってしまった

「…………」

そこには先生が顔をのぞかしていたから




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