先生の手が触れる時

「あれ?緑川先生!」

誰かが叫んだ声で我にかえる

見ちゃ、ダメだ。
そう思ってうつむいてると、私の前に影ができる

顔をあげるとそこには晴夏が立っていた

「………晴夏?」
「…………コンビニでもらったレシート。先生に出すから…貸して」
「このクラスの文化祭実行委員いる?」

晴夏の声に混ざって先生の声が耳に届いた

懐かしい声

この2ヶ月、会わないように過ごしてきた

顔を見たらダメだ
とまらなくなる

「…凪……?」
「あ、うん。ちょっと待って」




< 220 / 342 >

この作品をシェア

pagetop