先生の手が触れる時
「そう」
そう素っ気なく言う晴夏を見る
この人は、人の心にとても敏感なんだ
愛想ないように見えて、ほんとはとても人の気持ちを考えられる人
「………ありがとう」
「?」
不思議そうな顔をしてる晴夏に笑うと
晴夏は意味がわからない、という風に首をかしげて男子のグループに戻っていく
話が終わったのか凜が戻ってくるのが見えた
先生もドアの外に消えていく
これが、今の距離。
もうあの隣にいることは出来ないんだ
目が合うこともない
これが、私の選んだ選択。
からだの距離は近くても、心の距離はとても遠い
私たちの距離