先生の手が触れる時
「そう思いたくなかった……お父さんに何とも思われてないんだって認めたくなかった」
吐き出すように何かに耐えるように凪はそう口にした
凜が名前を呼ぶと凪は何かを決意したように顔をあげて笑う
「…お父さんが凜の家に迷惑かける前に出ていくよ……ここ知られたのも…まずいと思うし」
「でも」
「大丈夫。今までお父さんの言いなりになってきたけど…ちゃんと自分の足で生きていく」
そう宣言した凪は、今までより強く見えた
だけど同時に
その強さに隠された弱さがあることも
俺は感じていた。