先生の手が触れる時


晴夏side


保健室を出た俺は、思わずその場に座り込む

やっちまった。

こんな早くに言うつもりなかったのに

「……だせぇ」


凪の口から初めて聞いた、緑川先生への気持ちに
耐えきれず、思わず抱き締めて自分の思いを口にしてしまった

確かに、苦しんでる凪は見たくないが
こんな予定ではなかったはずだ

「………はぁー…」

もう一度大きなため息をつくと、遠くからゆらりと今、最も会いたくない人物が歩いてくる

「………あれ?」

座り込んでる俺に気づいた緑川先生は眉をひそめて近づいてくる
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