先生の手が触れる時

「……何を見ても、聞いても、助ける覚悟はあるな?」
「あぁ、約束する」

そう頷けば、信はふいに立ち上がる

「場所を移すぞ。俺の家に来い」
「……?」

俺が首をかしげると、信は少し真剣な表情をしていた
不思議に思いながらも信の後ろについていく

「…あら?早いのね………って、雪夜くん?」

部屋に入ると、絵理子さんが驚いた顔で俺たちを迎える

「絵理子。お前も聞いてくれ…お前の推測が濃いものになったかもしれねぇ」

信がそう呟くと、絵理子さんは一瞬、表情を強ばらせた

推測?なんだそれは?

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