先生の手が触れる時

「…私は、凪の親友だよ」

唐突に、凜はそう話し出す

「知ってるけど」

俺が怪訝そうに眉をよせると
凜はじっと俺を見つめ、中学の頃から変わらない笑顔を見せる

「でも、あんたの友達でもある。だから、落ち込んだときは慰めてあげる」

あぁ、こいつは…本当に変わってない

中学の頃、バスケが上手く行かなかったときも同じこといわれたっけ

「はっ……上からだな」
「うわ、いた!」

俺は少し軽くなった心で凜の頭を叩いた

凜は頭を押さえて俺の顔を恨めしそうに見つめてくる
だけどそのまま少し顔をうつむかせ

「…凪が出した答えだから……私は凪と先生を応援するつもり。たとえ、辛い道だったとしても………ごめん、晴夏のこと素直に応援できなくて」

そうぼそり、と呟いた
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