先生の手が触れる時
俺はそんな凜に思わず笑みがこぼれる
昔っから変なとこ真面目で
友達思いで
こんな俺に飽きずに話しかけて
「………変なやつ…」
「ん?何かいった?」
「……いーや。何にも」
俺はさっきとは違う心なしかスッキリした心境でもう一度空を見上げる
「おい、凜」
「ん?」
凜が不思議そうに首をかしげた
「……いいよ、それで。お前は……間違ってねぇよ」
「………うん」
「ありがとな」
これはたぶん、素直な気持ちだ
今は凜がここにいてくれて良かったと思ってる
「晴夏、柔らかい表情してる」
凜はそう言うと同じように空を見上げた
「……そうか」
俺は微笑みながらそれだけ呟く
そのまま二人は暗くなるまでしばらく
ずっと無言で空を見上げていた